Bは家の近くにある幼稚園に入園した。このころから、Bの行動は他の子供とは違ってくる。まず、入園当初、Bは幼稚園に行くことを拒絶した。母親が教室まで連れて行くが、それでも帰ろうと泣きわめいた。もちろんそのようなことをしたのはBだけである。
幼稚園にも休み時間はあった、休み時間、Bは孤立していた。しかし、それはBにとっては自然なことであり、他の子供が遊んでいるのを冷めた目で見ていた。次第にBは園庭の裏のほうによく行くようになっていた。そこには、年長の園児が数名いた。Bは因縁をつけられた。Bは泣いた。しかし、来る日も来る日もその場所に行くのであった。すると年長の園児が来て、やはり泣かされたのであった。しかし、Bはその場所に1人で足を運ぶのであった。おそらくBにとってはそのような人目につかない場所というのが居心地がよかったのであろう。
やがて送り迎えなどを待つ母親同士が知り合い、Bの母親もその中に入っていたので、Bも家が近い園児と遊ぶようになった。特に、家が近所で立派な家に住んでいた子供と仲良くなった。その子供は祖父が会社を経営しており裕福であったが、Bと同じように友人が少なかった。その子供はファミコンソフトやカードダスをたくさん持っていた。その子供の家に行くと、その子供の祖父母や母親が優しく迎えてくれ、遊ぶものもたくさんあったので、Bはその子供の家によく遊びに行くようになった。そして、その子供と家の中でいろいろなおもちゃで遊んだ。
Bの幼稚園時代の大きな事件はもうひとつある。Bが年長組のときの運動会での出来事であった。年長組ではリレー競争があった。年長組だけがやる種目とあって、人気も一番だった。当然子供たちも一番はりきっていた。Bも練習のときははりきっていた。
ところが運動会当日、リレー競争の直前になり、Bはリレー競争への出場を突如拒絶したのであった。両親も先生も参加するように促したが、結局参加することはなかった。Bは足が遅いことを他の園児から言われそのような行動に出たと母親に言ったが、真相は定かではない。
その他に、ハンコでひらがなの作文を作るということも幼稚園でやりました。何回かやったのですが、Bはほとんど形にすることができませんでした。しかし、一度だけ形にすることができたのです。今まで何も書けなかったのが嘘のように。
他にも、Bの行動はこのとき既に奇妙であったようです。
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